適寿の目指すもの
当院のある丸山は、神戸の中でも六甲山系の中腹にあり、三宮 まで車で15分という至近距離ながら、緑の自然と青い空に囲まれ、神戸港から泉州沖まで見渡せる高台にあります。一方で、昔ながらの家々や坂道が多く、高齢化率が34%と神戸市全体と比べても相当進んでいる地域です。
高齢者数がピークになるという2025年問題が議論されだして久しく経ちます。もともと、地域リハビリテーションの概念は、高齢になっても障害を受けても、住み慣れた地域で、そこに住む人々とともに、一生安全にいきいきとした生活が送れるように、あらゆる人々や組織がリハビリテーションの立場から協力しあっていこうという概念を持っています。
私たちは、この丸山地域において、それを実践すべく、自らの資源と人材、チーム力をフルに活用して、地域リハビリテーションの実現に大きな役割を担い、先導して取り組んでいくことを決意しています。それを実現するうえで、患者さまはもちろん、医療、看護、リハビリテーション、介護、栄養、社会制度、相談支援など、各領域のプロフェッショナルによる知識と経験が一つのチームとなったときにその効果は何倍にもなります。
この地域は、住民自治会、老人会、婦人会などさまざまな住民団体が存在し、活発に活動されている地域であり、地元に当院を含めた医療福祉資源も比較的豊富にあります。病気になっても障害を受けても、いろいろな環境が変わっても、それでも人生は続いていきます。何度でも新たな人生をやり直せる、そんな 社会を作っていきたいと考えています。
私たちは、医療、リハビリテーションを通して何ができるでしょうか。何をしていくべきでしょうか。そんなことをいつも頭に置きながら仕事をしたいと思います。
当院は、縁あって当院で働く皆さんを私たちの家族として迎え、異なる価値観を認め合い、互いの人生を尊重し合える仲間でありたい、そし て、それぞれの気持ちやプライド、思いを大切にし、ここで働くことが、夢を持ち、それが実現できる場所でありたいと願っています。共に未来を創っていこうと志あるみなさんが、私たちとともに、私たち自身が、将来、安心して生活できるような社会を自ら創っていくチームの一員に加わってくださることを願ってやみません。
医療法人社団康人会 理事長
公文 敦